凡例
このガイドラインでは、各項目が主に誰に対するものか、以下の4種類の「ラベル」によって表示しています。
全般的事項LGBTQ+に関する対応にあたり、本学の構成員(教職員、学生を問わず)は全員知っておく必要がある事項。
本学の対応状況本学での対応状況・実施状況についての説明。本学のすべての人に情報共有しておきたいこと。
主に当事者へLGBTQ+に当てはまる(かもしれない)人を支援する内容となる事項(主に学生向けだが教職員も対象)。もちろん、LGBTQ+に当てはまらないと思う方でも、特に支援者には把握してもらいたい事項。
周囲の方へ支援者はじめ、LGBTQ+に関わるすべての人にお願いしたい事項。
2. 氏名・性別の情報とその管理について
①氏名の変更
本学の対応状況
本学では本人の申し出により、自認する性に基づく通称名を教育組織内等で使用することができます。この場合、学類や学位プログラム等の関係組織及び組織長(学類長や学位プログラムリーダー等)の教員や支援室等の事務組織との話し合いを必要に応じて設けます。
主に当事者へ
性別の違和等を理由とした場合、以下の条件を満たし、さらに個別の状況を踏まえたうえで、自認する性に基づく氏名を使用することを認めています。使用する氏名の変更に際し、希望する氏名の変更の範囲によってその流れが異なります。ここではその範囲別に3つに分けて説明します。なお、いずれの場合においても自認する性に基づく通称名を使用することにより不利益が生じた場合は、原則として本人の責任において対応することが求められます。
A:大学内で使用される原則として全ての氏名の変更(学籍簿や学内システムを含む)を希望する場合
この場合、筑波大学における学生等の旧姓又は通称名の使用の取扱いにもとづいて手続きが進められます。学籍簿の表記や、manabaとTWINS、Microsoft 365、各種証明書での表記が一括して通称名で取り扱われることが可能になります*。
具体的な手続きは以下の通りとなります。
- BHEとの面談を実施
- BHEと性別の違和等を理由とした氏名の変更に関する申立書を作成
- 「通称名使用願」、「根拠資料(戸籍抄本や運転免許証など、実際に使用されている氏名であることが分かる資料)」、「申立書」を所属するエリア支援室及び組織長等に提出
- 通称名使用許可証の交付
性別の違和等を理由とした通称名を使用する手続き方法
(A)大学内で使用される原則として全ての氏名の変更(学籍簿や学内システムを含む)を希望する場合
なお、氏名の変更の際の個人情報の取り扱いについては、あくまで学生本人への説明及び同意のうえで進め、個人情報への配慮なしに手続きを進めることはありません。
*ただし、以下の文書は通称名を使用することができません。
- 法令等の定めにより戸籍上の氏名を使用することとされている場合
- 本学での雇用(TA・RA・短期雇用を含む)に関する文書
- 授業料や入学料等の債権関係文書
- 旅費や謝金等の支払関係文書
- 宿舎関係文書
- 奨学金関係文書
- 国家資格を得るために国もしくは地方公共団体又はそれらの委託を受けた団体が行う試験の出願書類
- その他学長が戸籍等名を使用することが必要であると認める場合
B:学籍簿の変更を行わないが、学内システムで限定的に氏名の変更を希望する場合
この場合、manabaやTWINS、Microsoft 365での本人が使用する学内システムでのみ表記する氏名が変更されます。
ただし、学籍簿の変更を伴わないため、大学から届く郵便物や各種証明書等の文書では変更前の氏名が用いられることとなります。具体的な手続きは以下の通りとなります。
- BHEとの面談を実施
- 所属するエリア支援室及び組織長等を通じて、学内システムでの氏名の変更を要請
- 学内システムの変更
性別の違和等を理由とした通称名を使用する手続き方法
(B)学籍簿の変更を行わないが、学内システムで限定的に氏名の変更を希望する場合
なお、氏名の変更の際の個人情報の取り扱いについては、あくまで学生本人への説明及び同意のうえで進め、個人情報への配慮なしに手続きを進めることはありません。
C:学籍簿の変更や学内システムでの変更を行わず、所属する組織内での通称名の使用を希望する場合
- BHEとの面談を実施
- 関係する教職員・組織との情報共有、対応協議
- 通称名の使用や使用範囲の決定
性別の違和等を理由とした通称名を使用する手続き方法
(C)学籍簿の変更や学内システムでの変更を行わず、所属する組織内での通称名の使用を希望する場合
なお、氏名の変更の際の個人情報の取り扱いについては、あくまで学生本人への説明及び同意のうえで進め、個人情報への配慮なしに手続きを進めることはありません。
以上が希望別に分けた大まかな流れになりますが、性別の違和等を理由とした氏名の取扱いについては、個人の状況に合わせて細かく対応されるよう配慮を行っています。
詳細はBHEまでご相談下さい。
②性別の変更
本学の対応状況
氏名の変更と異なり、戸籍の性別の変更に伴う場合を除いて、学籍簿等での性別の変更は対応できません(令和6年3月時点)。
③性別情報の取り扱い
全般的事項
とりわけ自認する性と戸籍上の性に違和を感じる人にとって、性別情報はアイデンティティに関わる重要な情報です。例えば、戸籍上の性別は女性であっても、それをごく限られた範囲の人にカミングアウトして男性として生活しているトランスジェンダーの場合、戸籍上の「女性」という性別情報が本人の意図しない形で外部に知られることは耐え難いことです。このような性別情報の取り扱いに疑問を持たれることもありますが、かつて名簿に当たり前に記載されていた個人の住所や電話番号が、個人情報の観点から現在は記載されないようになったのと同じ状況と言えます。
本学の対応状況
本学では、当事者の意図しない形で本人の性別情報が公表されることがないよう、特に名簿とTWINS(筑波大学の教育情報システム)での性別情報の取り扱いについて、下記のように取り組んでいます。
● 名簿
本学では教職員に対して、学生に配布・掲示する名簿については、原則としていかなる文書についても性別欄を除外して配布・掲示するよう、全学的に周知、徹底を図っています。教員の会議等でも、性別情報を含む個人情報については慎重に取り扱うことを進めていきます(例:会議資料とする際には性別情報を伏せて取り扱う等)。
● TWINS
TWINSで性別情報にアクセスできる権限を有するのは、指導教員と組織長の教員(学類長や学位プログラムリーダー等)、教務担当・学生担当の職員のみです。このうち、名簿として出力等の操作ができる権限は、教務担当・学生担当の職員のみが有しています。本学では上記の教職員に対して、性別情報を含めた個人情報の取り扱いに関する研修だけではなく、LGBTQ+に関する研修を受けることを推進し、性別情報の慎重な取り扱いを広く啓発していきます。
主に当事者へ
上記のように、本学では性別情報は限られた範囲で取り扱われています。今後も、性別情報が慎重に取り扱われるよう、周知・徹底を図りながら、改善を目指します。
④大学の発行する証明書の性別記載
本学の対応状況
本学で発行する証書等のうち、主なものの性別記載の有無は下記のとおりです(より詳細な情報はこちら)。今後、さらに情報を集めるとともに、各証書等で性別の記載が本当に必要かどうかを含め、検討していきます。また、各組織(支援室や学類、専攻等)においても同様の方針で対応を進めていきます。
<性別記載のないもの(令和6年1月時点)>
学位記、成績証明書、卒業(修了)見込証明書、在学証明書、在籍証明書等
<性別記載のあるもの(令和6年1月時点)>
健康診断証明書等
卒業後の証明書発行については、ツールボックスの情報をご覧下さい。ツールボックス(3)
⑤大学に提出する諸書類における性別情報の記入
本学の対応状況
本学に提出する諸書類のうち、主な書類への性別情報の記入の有無については下記のとおりです(より詳細な情報はこちら)。今後、さらに情報を集めるとともに、各書類で性別情報の記入が本当に必要かどうかを含め、検討していきます。また、各組織(支援室や学類、専攻等)においても同様の方針で対応を進めていきます。
<性別記載のないもの(令和6年1月時点)>
入学料・授業料免除申請、自転車等登録申請書、文書等掲示・配布願、学生証再交付願等
<性別記載のあるもの(令和6年1月時点)>
学生宿舎入居申込書、事件・事故届等
学外に提出する書類については、ツールボックスの情報をご覧下さい。ツールボックス(4)
主に当事者へ
これらの提出に先立ち、事前に相談することで性別記載欄を未記入のまま提出することも可能です。詳細はBHEまでご相談下さい。ツールボックス(5)