平成28~33年度 文部科学省 科学技術人事育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)
平成30年9月22日(土)、つくば国際会議場202Aにて、平成30年度TIDEシンポジウム【Beyond the Border~私たちはダイバーシティと男女共同参画をどのように実実現するのか?~】を開催しました。
まずは、庄司 一子氏(筑波大学 学長特別補佐)による開会の挨拶が行われ、「いつかそれぞれのみなさんの組織機関でトップが女性になる日を思い描きながら、本セッションに参加してほしい」という呼びかけからシンポジウムがスタートしました。
基調講演には、高橋 裕子氏(津田塾大学 学長)をお迎えして、「大学におけるトップマネジメントとダイバーシティ推進」と題したご講演をいただきました。筑波大学大学院のOGでもある高橋先生、母校への強いエールも込めながら「日本におけるジェンダーギャップの現状に慣れることなく、違和感を持たねばならない」とご指摘をされました。
そのなかで、日本の歴史における女性の社会進出を牽引してきた女性を数多く輩出し、女性管理職の登用を積極的に進めてきた津田塾大学の歩みに言及されました。「津田塾大学は、過去の女性リーダーたちに学び、それを継ぐ者である決意のもと、女性が上位層へ組み込まれていくことが当たり前であるという文化が醸成されいる」と分析。特別な機会だけではなく、日常から女子学生・教員に豊富なロールモデルを提供し、彼女らが自信と実力を身につけられる環境づくりの重要性を再確認しました。
次に、TIDEプログラムに参画する各組織から、永田 恭介氏(筑波大学 学長)、加藤 一実氏(産業総合技術研究所 理事)、行木 陽子氏(日本アイ・ビー・エム株式会社 技術理事)の皆さんに挨拶をいただき、本年度で折り返しとなる本プログラムの中間報告や、今後への抱負などのメッセージをいただきました。本シンポジウムでは、TIDE Womens’s Award in 筑波大学の表彰式も併せて行われ、計14名の女性陣が受賞をされました。
パネルディスカッションでは、「意思決定プロセスへの女性の参画」と題し、モデレーターには柳沢 裕美氏(筑波大学 教授)、登壇者にはJennifer Preece氏(University of Maryland, Professor and dean emerita)・倉島 菜つ美氏(日本アイ・ビー・エム株式会社 技術理事)・奈良崎 愛子氏(産業総合技術研究所 主任研究員)の皆さんをお迎えしました。
ご自身の経験などを踏まえながら、ダイバーシティ推進のための組織・環境づくり、そこで生きる女性たちのモチベーション形成についてヒントを頂き、会場からは「周囲の理解をどのように得ているのか」「家族や配偶者間において期待することは何か」といった質問を受けながら、ディスカッションが進行しました。
最後は五十嵐 浩也氏(筑波大学 ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター長)による挨拶が行われ、「本シンポジウムでのお話が理想で留まることなく、日常生活における小さなことの見直しから実現につながることを期待する」というメッセージをもってシンポジウムは閉幕しました。
閉会後のアンケートでは、
- 様々な現場の最前線で活躍する女性のお話が聞け、刺激的だった
- 当たり前のことを万難に排して当たり前に続けている事は非常に強いと感じた
- コンフォートゾーンを一歩出て関わっていくことが大切だと思った
など、本シンポジウムで知った様々な事例をもとに、各々の環境・組織でもダイバーシティ推進を加速させたいという思いに溢れたコメントをいただきました。
TIDEプログラムは来年度より折り返しである4年目となります。今後も皆様のご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。ご参加いただきました皆さん、ありがとうございます。