近年、LGBTQ+を含む性的マイノリティに関する話題は社会的に大きな注目を集めています。国内では渋谷区での同性パートナーシップに関する条例の制定、国外では米国での連邦最高裁判所による同性婚を憲法上の権利として認めた判断を始め、一見すると国内外でジェンダーやセクシュアリティの多様性を認め、よりインクルーシブな方向へと動き始めているように思えます。


しかし、国内でも国外でも未だ多くの誤解や偏見が残り、それによって不当な扱いを受けて起こる不幸な事例が後を絶たないことも事実です。「LGBT」という言葉だけが先行してすべての性的マイノリティがひとまとまりに受け止められ、性自認や性的指向の多様性まで理解が及ばない人も多くいます。当事者が周囲に声を出せず、息を潜めながら生活している姿も想像に難くありません。性的マイノリティであるということだけで、本来のその人の能力と無関係に機会や評価が与えられないこと、能力を十分に発揮できないことは、社会にとって、とりわけ教育・研究により社会を切り拓く立場にある大学にとっては大きな損失です。
 
本ガイドラインの巻頭にある「筑波大学におけるLGBTQ+の性自認及び性的指向を理由とした差別の禁止及び解消に関する基本理念」にあるように、本学は建学の理念に「開かれた大学」を掲げ、教育・研究に多様性と柔軟性を追究してきました。
また、地球規模の社会課題の解決に向けて従来型の発想を越えたイノベーションの創出を常に求め続けています。本学では、人材や環境の多様性こそがイノベーションの源泉であると考えています。すべての学生や教職員が自分のアイデンティティに誇りを持ち能力を存分に発揮できるよう、ともに大学を作り上げていくことは、激動する社会環境の中で筑波大学が変化と革新を生み続けるためには不可欠なことです。
 
これまで本学では女性研究者支援や障害学生支援といったダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンの推進に一貫して取り組んできました。今、本学は男女という性別や障害の有無といった二元論での取組から歩を進め、多様な存在の個人が、それぞれに価値ある存在として自らの能力を開花できる真のダイバーシティの実現を目指しています。このガイドラインが、その一歩となることを願ってやみません。

筑波大学
ヒューマンエンパワーメント推進局