3月9日(火)17:30-19:30 筑波大学専門学群棟にて、「平成19年度 文部科学省医療人GP採択プログラム 成果報告会」を開催いたしました。
当日は女性医師キャリア支援コーディネーターの瀬尾恵美子氏と、看護師キャリア支援コーディネーターの野澤美加氏が成果報告を、また、支援を受けた2名の医療従事者が事例報告を発表しました。特別講演には、女性医師のキャリア形成・維持・向上を目指す、NPO法人ejnet代表理事 瀧野敏子氏より「働き甲斐のある環境が強くて優しい病院を作る」と題して、お話いただきました。
瀧野氏は、「自己実現がいかに会社に(組織に)貢献できるかを考えられないと、女性に管理職は務まらない」と語られた製薬会社執行役員の紹介に始まり、病院評価事業の一環でヒアリングされた病院の事例紹介をなされました。例えば、フレックス勤務グループ構想を掲げているところでは、「子育て中でフルタイムで働けない医師」、「定年後フルタイムで働かずマイペースで医療をしたい医師」、「病後などでフルタイムで働くまでの準備医師」、「フルタイムを離れて研究などに一時的に特化して働きたい医師」など、数人で1人分の単位をつくり、その中で時間をやりくりする構想を掲げています。女性の支援のみならず男性医師にも適用される復帰システムは、公平で納得感のあるものといえましょう。労働環境の改善、人事制度や勤務体系の改革、職員のモチベーション向上などの課題に向かって、医療界は既に着実な歩みを進めている様子がよくわかりました。