2月24日,筑波大学人間系学系棟A101号室において,「セクシュアル・マイノリティとダイバーシティ」を本学人間系障害科学域と障害科学専攻(前期・後期)、障害科学類、国際総合学類との共催によるFD研修として開催しました。このセミナーは,文部科学省科学技術人材育成補助事業「女性研究者研究活動支援育成」事業(拠点型)の一環として企画したもので,教職員や学生50名が参加しました。
大阪府立大学の新ヶ江章友さんを講師にお招きし、真のダイバーシティ実現について考えるセミナーを行いました。
近年、男女共同参画に関する取り組みが盛んになってきているものの、それらは異性愛の男女を前提にしているため、既存のジェンダー観の域に留まっている点を指摘されました。
思春期のセクシュアル・マイノリティの65%が自殺を考えた経験を持つことからも、男女共同参画にLGBTの観点を取り入れる必要があるそうです。また、LGBT層市場の開拓可能性もあることから、企業にとってもLGBTは重要なイシューとなっていることなども話していただきました。
これらの解決のために、既存のジェンダー観が所与となり、さまざまな社会制度をつくりだしている状況を再考する必要があることを話していただけました。
参加者からは、ダイバーシティ実現のためになぜLGBTの観点を取り入れる必要があるのか、歴史的経緯や現状の問題を踏まえて理解できたとの声を多く聞きました。とりわけ教員や将来教育関係の職に就く学生は、LGBTに関する知識を生徒指導に活かすことができる、という声を多く伺えました。